精巧なつくりを裏付ける技術力
DAIKOKUの製作は村山ビルダー(NJSビルダー/現 公益財団法人JKA)によるものです。同ビルダーの製作するフレームの90%以上はKEIRIN(NJS)フレームです。
ほとんどの場合、選手は現在使用しているフレーム、完成車やジオメトリー表を持参して、その寸法をベースに製作します。但し、一部の選手は選手の脚力によって先行、追込みなどの戦法があることから、その戦法に適したジオメトリーやチューブを決めます。必要があれば現在使用しているフレームの特性を数値化してフレームを作ります。ハンドルやサドルの僅かなポジショニングの差異から生ずるフィーリング感を反映したフレームを選手に求められることがあり、その場合はCADで正確な変化量を選手に伝えて決めます。また、生活環境や精神面といった数値化できない分野の相談を受けることもあります。これらの作業過程は、時間もかかりますが、プロフェッショナルレースの競輪においては重要なものです。
競輪選手はフレームの寸法精度をとても重視します。特にフロントセンターは熱影響による誤差が集約される部分です。フレームはブレージングにより必ず熱収縮しますので、ジグにセットした寸法のとおりにはなりません。その誤差をどのように最小にすることがとても重要な課題です。ブレージングの順番や銀蝋と真鍮蝋でも違いがあります。経験と勘だけでは精度の高いフレームを作ることは出来ません。従って、条件の設定と過去のデータがとても重要です。その調整作業をする事でブレージング後の最終誤差を最小にする事ができるのです、それにより残留応力も最小限になります。手の体温だけで変位するフレームを1000度に近い温度でブレージングされるフレームを1mm以下の精度で製作するのは簡単なことではないのです。ビルダーにとって真剣勝負です。
デザイン/塗装/外観についてのコンセプト
英国やヨーロッパ各国には素晴らしいデザインの自転車が多くあります。従いまして、丸屋では‘Universal Elegance’のコンセプトのもと、日本の伝統美を用いたデザインにしました。歴史の町ロンドン、おしゃれなパリ、古都京都など、世界中のどこでもマッチし、上品さを感じて頂けるデザインに仕上げました。
塗装も日本の伝統工芸である‘漆塗り’、‘蒔絵’などをモチーフにしています。 ‘漆’は、昔から日本では貴重で最も美しい塗料とされてきました。ただし、樹液を使うため、光に弱く変色し、傷つき易いので漆の色を再現した耐久性の高いウレタン塗料を使いました。漆の色をウレタン塗料で再現することは難しいことから、鯖江(福井県)の老舗の漆工房 山久漆工が監修しました。これらの色は金色も含めて欧州の色とは微妙に異なる日本の伝統色です。
英国ハンドメイド自転車展 2019にて受賞
ヨーロッパ最大のハンドメイド自転車展 The UK Handmade Bicycle Show-BESPOKEDにてMaruya DAIKOKUはそのデザインおよび塗装と作りの精巧さが評価されThe outstanding Finish/Paint Awardを受賞いたしました。同展における日本ブランドの受賞はMaruyaが初めてです。これからも世界中の愛好家の皆様に魅力的な自転車を作り続けて行く所存です。